(家族の方のための)年寄り耳の傾向と対策  

川合耳鼻咽喉科 ver.060715

電波の悪いところで聞くラジオを想像してみてください。音を大きくしてもいっこうに聞き取れないものです。お年寄りの耳もそれと似たところがあります。ただ大きい声を出しただけでは、いっこうに聞きとりやすくならないのです。
たいがいのお年寄りは大声が苦手です。音が割れてしまってかえって聞き取れないのです。ここを勘違いしてむやみに大声を出していると、だんだん話をするのがイヤになってきます。

院長がお年寄りと話す際に気をつけていることは三つ、

1.はっきり
2.ゆっくり

3.区切って話をする
  ことです。

ぼそぼそした話し方はなかなか通じません。できるだけで本人のお顔を見ながら、できれば口を大きくあいて話すようにしてください。

早口の話も苦手です。はなしを早く伝えたいのはわかりますが、同じことを2度、三度話すことになり、かえって時間がかかります。ゆっくり区切って話すだけで話は驚くほど伝わるものです。

よくないのは話が通じないからといって大声を張り上げること、これをやると話が通じないばかりか、お年寄りには怒鳴られたという印象が残ります。さらに大声を出した人間もなぜか腹が立つものです(院長も医者になって3年ぐらいの間は、難聴の方相手に大声を出すたびになぜか腹が立ったものでした)。

当院に来られて、夫と息子の話はわからないのに先生の話はすべてわかると言うような患者さまに良くお会いします。家族が気をつけて会話してくれればもっともっと通じるのに、もったいない、もったいない。

まとめ

年寄り耳とつきあうコツは「はっきり、ゆっくり」、

年寄りとつき合うコツは「あせらない、おこらない、無視しない」