咽喉頭異常感症について

川合耳鼻咽喉科 ver.050125 

咽喉頭異常感症とは、のど(咽喉頭)に異常感があるのに、それに見合うような病変が見つからないものを咽喉頭異常感症といいます。

症状

病名のごとく咽喉頭(のど)の異常な感じ(違和感)が主で、「のどに何かつかえている」、「のどがイガイガする」、「のどが変」などの訴えがあります。実際に痛みが強い、食べられないなどは少ないようです。

好発年代

成人一般に見られますが30~50才台に多く、男性に比べ女性の方が多いようです。

原因となる疾患

きわめて多彩ですが、一応列挙しますと(頭が痛くなる方は読まないで結構です)、
・慢性炎症によるもの(慢性副鼻腔炎、慢性上咽頭炎、慢性扁桃炎、逆流性食道炎など)
・アレルギーによるもの(アレルギー性鼻炎、アレルギー性喉頭炎など)
・形態異常によるもの(舌根扁桃肥大、過長茎状突起、頚椎異常など)
・甲状腺の病気によるもの
・腫瘍によるもの(喉頭がん、下咽頭がん、頸部食道癌、胃がんなど)
・全身的な病気によるもの(鉄欠乏性貧血、自律神経失調症、糖尿病、内分泌異常など)
・精神的なものによるもの(神経症、心身症、癌恐怖、うつ病など)
・その他(薬物の副作用など)

診療の手順

【検査】
問診の後、口内・鼻内の診察と、喉頭電子内視鏡(ファイバースコープ)を使っての咽喉の詳細な観察を行い、腫瘍(できもの)などがないことを確認します(もし何かあればそちらの治療に移ります)。またアレルギー性鼻炎の所見や炎症所見がないかを観察します。場合によっては採血なども行います。

【治療】
異常感の原因が多様であり、患者さまの年齢・性別・習慣や体質(とくに喫煙・飲酒・生活習慣病の有無等)も異なるため、各人に合わせて治療方針を決めていきます。

共通して言えることはまずガンがないことを納得していただくことです。ガンを心配していると、それだけで症状が倍にもなるからです。当院の場合、食道がんなどの可能性については胃カメラ・胃の透視をして一年以内であればおおむね大丈夫と考えています。特に心配な方や症状の強い方、一年以上胃・食道の検査をなさっていない方などには内科で胃・食道の検査を受けられることを進めたりもしています。

薬物療法ですが、下の <参考> に書いたような病気も考えながら処方を出します。

重要なことのひとつは経過観察です。症状に変化が見られた場合や新たな症状が加わった場合などは、再度の受診をお勧めしています。また人によっては年1、2回あるいはそれ以上の定期的受診をお勧めしています。

参考 ~意外に多い病気~

【逆流性食道炎】
胃酸を含む胃内容物が食道内へ逆流するために胸やけ、嗄声、慢性の咳、咽頭痛などの症状をきたす。胃酸を強力に抑制する薬が開発され、咽喉頭異常感症によく効いたことより、この病気が注目された。このような薬(当院ではパリエット)を一週間程度処方して反応を見る治療的診断法も提唱されており、当院でも実地しています。

【アレルギー性鼻炎・アレルギー性喉頭炎】

鼻水がのどに下がって、のどを刺激するアレルゲン(アレルギーの原因物質)が直接のどに接触して症状をおこすようです。(まだよくわかっていません)。アレルギー性鼻炎・喘息に行うような治療で改善するので、これも治療的診断が役に立ちます。