「傷は乾かさない、消毒しない」キズを治す新しい考え方

川合耳鼻咽喉科 ver.20050301

これまでの常識においては、傷は消毒して乾かせ、が常識でした。この一方で乾かさないほうが早く治るし、痛くもないという実感があることも確かでした。また抗生物質など使わなくてもめったに化膿などを起こすものではない、これも知られていたことでした。さらに細菌を殺す作用のある消毒薬は、キズの回復のために働く細胞にとって有害ではないか、これもなんとなく思われていたことでした。

では乾かさない、消毒しない、ガーゼを当てない、抗生物質を使わない、これをやったらどうなるか。実はやってみた人がいます。その結果、キズは圧倒的に早く治ることがわかりました。もちろん思いつきだけで、一気にやったわけではありません。いろんな基礎実験のデータを集め、実験をし、実際の患者さまで少しづつ試していったわけです。

その治療法の根本は、「傷は乾かさない、消毒しない」それだけです。

キズを乾かさないために、創傷被覆剤(キズをおおうテープ)で覆います。
ガーゼは極力使いません。(傷が乾きますから)
消毒薬は使いません。
汚れたキズはさすがに洗いますが、消毒はしません。
キズは水道水で洗いますし、入浴・シャワーもOKです。
抗生物質も感染が本当に起こりそうなとき、あるいはおこったときにしか使いません。

なんだか信じがたい話ですが、いろんなデータが新しい考え方を支持しているようです。当院でもとうとうこの新しい考え方を採用することと致しました。

 

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